授業の前置きは無駄である
教師の中には、授業の前に雑談をする者がいる。
内容は、最近のニュース、珍しい体験、愚痴、説教など、教師によって様々である。
しかし、生徒の反応は一様に白けている。
生徒にウケない理由は「ニュースの話題から説教につなげている」「声のトーンに抑揚がない」「リアクションを強要される」「授業より面白くない」「鼻毛が出ている」「教師が教室にいる」「教師が口を動かしている」など、様々な理由が考えられる。
面白い雑談も時々あるが、その場合は「友達とLINEをしていた」「マンガを読んでいた」の2通りに絞られるのだ。
なぜこんなことになってしまったのか。
ここで、ある日の教師の雑談を吟味してみようと思う。
その日は、開口一番「夏休み明けだからか知りませんが、みなさん弛んでます」だった。
『先生のお腹は弛んでます』の聞き間違いだったかもしれないが、いずれにせよ最悪の滑り出しだ。
いきなり相手を貶すのはルール違反である。
まずは「私は人間のクズです」から始め、「家に帰ると妻が『炊事したフリ』をします」と言い、千度土下座した上で「みなさん弛んでます」と言うべきだろう。
次には「『では、一体何時間勉強したらいいんですか』と思ってる人もいるでしょう」と言った。
勝手にこちらの意見を決めつけるのは良くない。
「生徒の側も『教師は僕達を苦しめようと思っている』と決めつけている」と思われるかもしれないが、『我思う故に我あり』で有名なデカルトが言うように「思っているという事実は疑えない」のだ。
故に、このような発言は撤回すべきである。
特に、ブログのネタにならない発言は撤回して欲しい。
最後に言ったのは「みなさん、授業の予習復習を習慣化して下さい」という、習慣化の強要だった。
(こう言う教師も、家では妻に『ゴミ捨てを忘れるな』と言われている)
しかし、「勉強しろ」と言われて勉強できる生徒はいないだろう。
(教師ですら、『分かりやすい授業をしろ』と言われてもできないのだ)
よって、次のように言い換えるべきである。
「勉強を習慣化し、無意識の内に勉強できるようにして下さい。
そうすれば、勉強している状態としてない状態の区別も出来なくなります。
マンガを読んでいるときにも『勉強している』と思い込めればしめたものです」
このように、教師の話は無駄に満ちている。
しかし、話に無駄が多いのは、政治家に共通する特徴だ。
『今、教壇で話しているのは政治家だ』と思い込めれば、きちんと聞く態度をとり、チャンネルを変えるかもしれない。