Summer Pockets感想(ネタバレあり)
麻枝准が帰ってきた……と思ったけど原案のみ。
さぁ、どうなる?
総評 81点
Rewriteは世界観を重視しすぎて感動が疎かだったし、AngelBeatsとCharlotteは尺が足りなさすぎて感情移入する前に終わりました。
今回こそは……と思ったんですが、今回も世界観重視に行き過ぎた感があります。
しろはの「不幸な未来が見えてしまう呪い」を軸に、七影蝶や遊び尽くせない夏を混ぜていましたが、その結びつきがどうも説明くさい。
理屈じゃなくて、感情でわかるようにしてくれないと、泣けないですよね。
ただ、それ以外の点は非常に良かったです。特にミニゲーム。
良作です。
では、シナリオを個別に見ていきます。
しろは 82点
メインヒロイン。
羽依里が水泳をやめた理由が明かされます。
もう一度水泳をやる理由と、しろはを助ける理由が重なる所がいい。
ALKAへの伏線の張りすぎで消化不良な感もありますが、いい話です。
灯籠のCGがあまり綺麗じゃなかったので-3点です。物語のキーになるイベントなんで、もうちょっと頑張ってほしかった。七影蝶は綺麗なのにね。
蒼 81点
物語の鍵を握る七影蝶が出てくる。
シリアス展開にちょくちょく下ネタが入ってくるのがいただけない。
絵に違和感があるのが気になる。集合写真でも、この子だけ浮いてる気がする。
ま、そのうち慣れるでしょう。リトバスの鈴も違和感ありましたが、今では立派なkeyの看板ですし。
鴎 94点
冒険のワクワク感。鴎が消えてからの感動ラッシュで、大団円につなげる。これぞkeyだと思います。
10年前の鴎の返事を、羽依里が叶えてあげるとこが特に良いです。
鴎が消えてしまって、全てが夢だったんじゃないかと途方にくれる状況でも諦めず、鴎の思いを紡いでゆく姿が素敵でした。
紬 70点
ツムギが出てきたとこまでは良かったんですね。
蒼シナリオの七影蝶が持ってた記憶の一つであることが明かされ、物語が一気に深みを増しました。
ただ、その後がひどい。
ツムギのことを覚えておくために、紬と最高に楽しい夏休みをすごすってのがよくわからない。みんなが協力してくれる理由もしっくりこない。
あと、おっぱいおっぱい煩いのも気になる。はつゆきさくらの街角おっぱい祭りか?
紬の夏休みは良かった。♪むぎゅぎゅぎゅぎゅ~
ALKA 100点
BGMの「Sea,Your Memory」がシナリオにとても合っている。原曲の「Sea,You & Me」の夏の広がりに加えて、ピアノの音が夏の終わりを告げているようで、泣けます。本ゲームで一番良い曲だと思います。
シナリオも素晴らしい。家族で楽しく過ごすって、なんでこんなにいいんだろう。
Pocket 51点
うーん……なんだこの圧倒的欠乏感は。
麻枝さんが魁先生に「もうちょっと頑張って」と、追加を要請したそうですが、もっとキツく言って欲しかったな。
七海がしろはに、楽しかった思い出を渡して消えるシーン。
直観的に理解できなくて、シナリオの流れを考えた後「……ああ、そういうことか」と、時間差で腑に落ちるのが良くない。
最後の鏡子さんの台詞も同じく。考えさせるシーンも大事だけど、初見でプレイしてる時は「シナリオを進める手・笑い・涙」が止まらないことの方が大事だと思うんだよな。
Pocketがよくなかったのは、時系列の問題だと思う。
本作では、うみ視点で時系列が作られている。
うみが満足するまで、何度も夏休みを繰り返す。満足しきった後、しろはへ夏休みの思い出を渡し、しろはの呪いを解く。呪いが解けたしろは、羽依里と出会うきっかけをなくし、羽依里は蔵の整理をしただけで実家へ帰る。
順番としてはわかりやすいし、筋も通っているが、満足する夏休みを過ごした後の展開が尻すぼみになってしまっている。
ハリウッド映画並の構成で、なんとか盛り上がる部分を最後にもってこれたら90点を付けたと思う。