大学の寮生活
行きたい大学(又は偏差値が低い大学)が実家近くにない場合、一人暮らしをすることになる。
一人暮らしには、寮とアパートとダンボールの3通りがある。
筆者は寮に住んでいたので、ここでは寮生活について話そう。
寮というのは、大学の近くにある学生収容所のことである。もし学生以外の人間が入っていたら、刑務所と呼ばれていただろう。それほどの朽ち具合だ。
見た目は、劇的ビフォアアフターのビフォアのようで「これから綺麗になりそうだ」という期待を抱かせてくれる。
しかし匠は現れない。変わりに「もうそろそろ改築します」と巧みに説得させられる。
部屋は、玄関と3畳の畳程度の広さである。
この狭いスペース(宇宙のことではない)に、なんと2人で住むのだ。実に狭い。
足の踏み場として使えるのは、ベッドの上か机の上くらいなもんだ。
もし彼女を呼んだら、ごく自然にベッドに誘えるというメリットもあるが、残念ながら筆者にはその機会はなかった。
一緒に住む人のことを相方という。
相方と仲良くやっていくには、特に干渉しないことである。
「教科書を貸してほしい」「弁当を買ってきてほしい」「彼女が来るから外へ行ってて欲しい」「彼女と変わって欲しい」と言われたら、何も考えずに従うのがコツだ。
これは、将来結婚する際の予行演習にもなる。
食事は、事務室であらかじめ1か月分の食券を買い、食堂へ行く。
食堂は、事務室から玄関をはさんだ向かい側にある。
朝はご飯、味噌汁(具はほとんどない)、納豆or玉子焼きである。
残念ながら、他に選択肢はない。飽きた場合は、納豆にソースをかけたり、味噌汁にマヨネーズを入れたりするしかない。特に、自分が食べない場合は積極的に試すといい。
もし「パンが食べたい」と思うのなら、寮生活を諦めるか、イエス・キリストを拝んでパンを恵んでもらうしかない。
夜ご飯はなんと、7時までに食べないといけない。それ以降は食堂が閉まってしまう。
ただ、サークル活動の前にご飯を食べることになるので、活動後の飲み会を断る口実にはなる。
寮生活で大きな問題なのは3つだ。騒音と衛生である。
あと一つは、問題が多すぎてここでは紹介しきれないことである。
騒音は、夜遅くまで誰かの部屋に集まって議論することで生じる。
最近の議題は「喰いタンや役牌のみはありか」だ。
衛生問題は、掃除を2週間に一度しかしないことで生じる。
なぜ2週間に一度かというと、2週間が限度だからである。
以上が寮生活の全貌である。あまり居心地は良くないが、一つだけいい点がある。
大学に行きたくなることだ。