月をつかむように
【即興小説トレーニングの推敲】
今回直すのは月をつかむように
久々に見直してみる。
でもそれだけじゃダメだよね。たまには完成版を作らないと。
『今の自分の文章力で書ける理想の小説』をはっきり描こう。まずは目標を決めなくては。
ゴリラ座には一等星も二等星もない。だから、オリオン座みたいにはっきり見えるわけじゃない。だから他の星には煙たがられてる。
でも、ちゃんと夜空に浮かんでいる。それも、?日じゃなくて、月が三日月になった頃だけ。ゴリラ座は、三日月の飛行線上にしっかりと待ち受けてる。
お題の『調和したゴリラ』から連想。
『AではなくBだ』という文体で書き始めると、伏線回収がしやすいのでオススメ。
『Aであることに悩んでる話』を書いて、最後は『それってBなんじゃない?』でシメる。
19歳の春。僕は、東京に星がないことを発見した。
断言でスタート。
多分だけど、人間が文章を読む目的って『モヤモヤした気持ちをハッキリさせるため』なんだと思う。
小説の人物がハッキリと自分の気持ちを言うのを見て、自分の中のモヤモヤが晴れる。そういう体験は何物にも代えがたい。
朝はまるで、時限爆弾でも抱えてるかのように急ぎ足で電車に乗る。
夜はまるで、ちょっとしたはずみで押してしまいそうになるミサイルの発射ボタンを持っているかのように電車を降りる。
これは小説を読んでた時に思いついた比喩。(何かは忘れた)
うまい比喩を見つけたら、ちょっと変えてパクる。これが比喩上達法。
時限爆弾はタイムカードの暗喩。ミサイルは爆弾から連想。
「発表する小説、もう決めた?」
この台詞は、話の着地点を決めるのが目的。
序盤でしっかり決めておけば、中盤がダラダラしてもしっかりオチに繋げられる。
日野さんの手は僕の手にすっぽり収まっても、心までそうはならなかった。
体と悩みが一致しても、心はすれ違う。いいね、小説っぽいね。
◆◇◆◇
そして時間切れ。
三日月をバナナに喩えるのはいいとしても、僕と日野さんの問題が解決してないから未完ですね。
もし続きを書くとしたら……
日野さんは部長と付き合うけど、何年か後に精神を病んでしまう。
主人公はそれをどこかから聞いて、日野さんのために書いた小説の書き直しをする。
――とか?
ここまでの説明を見返してみると、『小説っぽく見える文章」を書こうとしてることがわかる。
それ自体は悪くないが、なんというか『完成させよう』という気持ちが入ってない気がする。
自分の内側から出た物語じゃないせいだろうか?