20歳から始めた読書感想文

本の感想や日記をのせてます。

物書き専用奈落

【即興小説トレーニングの推敲】

今回直すのは物書き専用奈落

 「お題:早い奈落 必須要素:アクション」

 

お題と必須要素 

奈落ですが、舞台劇について書くと絶対被るなと思ったけど、一人しかやってなかったですね。

奈落を舞台装置だと思ってる人が少なかったのか?

ま、自分も名探偵コナンのニューヨーク回のおかげでたまたま知ったのですが。

 

即興小説のお題で「○○な☆☆」がでたら、○○と☆☆を分けると良いです。

そして、どっちかについて書き始める。

もう片方は後で使う。

 

 

今回の「早い奈落」は、「早い」から考えました。

まず、料理終わるより「早く」電話がかかってくるシーンを書きました。

そして、電話で「奈落」に招待される話に持って行きました。

 

今回はあまりストーリーを考えずに作ったので、文字数が1885字に増えてます。

後半の、実体験(松阪城への観光)を混ぜたあたりから筆が乗りました。

(前半の会話文は苦労しましたが……)

 

本文について

今回はねじまき鳥クロニクル風にスタート。

料理中に知らない女から電話がかかってきます。

 

順路を登り、彼女の指定した「物書櫓跡」にたどり着くと、ひんやりした空気が頬を打った。

月が、青黒い空にぽっかりと大きな穴を空けていた。

他動詞を使った表現。

他動詞は小説に躍動感をもたらします。

自動詞だと「肌寒さを感じた」「月が浮かんでいた」で、物足りない。

 

このテクニック、私は「擬人他動詞」とよんでいます。

擬人化のリアル感に、他動詞の躍動感を混ぜることで、印象的な表現が出来上がります。

 

『早く出られる』と思って書くのと、『1時になるまで出られない』と思って書くのとでは全く違います。

一応、「おおっ」と思わせるセリフが来たので、小説にはなってると思う。

その後の「確かに、それは僕の小説観にはなかったものだ」は余計だったかな。

 

もちろん、こんなところで「めでたしめでたし」というわけには、いかない。

僕はこの後、奈落に入り、不思議な体験をしなくてはならないだろう。

不思議な体験とは、普段は上手く書けない小説がなぜか上手く書けてしまう体験だ。

 

なぜ上手くかけたかと言うと、周りに何もないからだ。

周りに何もないとき、人は自分の記憶を頼りに文章を書くしかない。

そうやって、自分の記憶のみで書かれた文章というのは、必ず筋が通っている。

なぜなら、記憶から外に出る時は、筋が通っていなければならないからだ。

 

最後に、主人公は奈落なしでもこの領域に潜れるようになる。

真の集中を手に入れるのだ。